無水調理ができることでヘルシー志向の女性に支持され、
一大旋風を巻き起こしたモロッコ発祥の「タジン鍋」。
そのブームが起こる8年ほど前に、レストランのシェフと共に日本風にアレンジした「タジン鍋」で、飲食店向けに製造を開始しました。その後、国内で大流行したのも束の間、今では市場で見かける事もなくなってしまいました。
「こんな良い商品なのにもったいない・・・」
気持ち新たに、タジン鍋の蓄熱性を活かした燻製鍋を開発することにしました。
食材や燻煙材に熱を加え、発生した煙で食材を燻す燻製料理。
80度以上の高温でジューシーな熱燻を完成させるには、いかに食材に熱を伝え煙で燻すかがキーポイントになります。
しかし背の高いタジン鍋のフタの形状ではうまく燻煙が回らず、フタの形状を変えることにしました。
まずタジン鍋特有の突起状のフタをドーム型にし、トップの高さを数㎝刻みで変化をつけていきます。
大きいフタで手羽元の燻製を作ってみると、やはり香りづけが弱く燻製とは呼べない完成度でした。
一番低い高さのフタでは、苦みや酸味がでてしまいました。
結果、9.5㎝の高さで作った手羽元は肉の仕上がりがジューシーで旨味もしっかりと出ており、燻された香りが充分に出ていました。
こうして燻煙の量と蓄熱効果が最もベストな状態になるフタの高さを見つけ出し、
食材そのものの旨味を引き出しながら香りづけもできる燻製鍋が完成したのです。
胴の直径サイズは24㎝。
消耗品である金網をホームセンターなどでも購入できるよう既製品サイズに合わせることで、永く愛用してもらえるよう工夫しています。